17年間にわたり5,000人を対象にした健康調査、「中之条研究」でわかった健康と長寿の黄金律
「1日8000 歩・20分の速歩き」があらゆる病気を遠ざける
3. 一日「7000歩・中強度運動15分」以上でがんや骨粗鬆症は予防できる
この「中之条研究」では、2000年から10年以上にわたり、群馬県中之条町の65歳以上の住民5,000人(重度の認知症や寝たきりの人を除く)を対象に、毎年1回、詳細なアンケート調査を行い、運動や身体活動の状況、食生活、睡眠や労働時間、 病気の有無や体調などを調査し、健康診断のデータも提供してもらいました。
さらにその中の500人以上を研究の主たる対象とし、小型の「身体活動計」を、入浴時以外は常時携帯してもらい、一日の歩数や運動強度が3メッツ以上の活動時間を細かく記録しました。
一年間の一日あたりの平均歩数と平均中強度活動時間と有病率・罹患率の関連性――。これを十年以上の期間、継続的に調査・解析してみると、歩数と中強度活動時間が増すごとに有病率・罹患率が低くなり、それぞれの病気の予防に有効な歩数と中強度活動時間がわかってきたのです。
例えば 「一日平均4000歩以上・一日平均中強度活動時間5分以上ならうつ病や睡眠障害の予防」、同様に一日平均「5000歩以上・7.5分以上なら認知症、心疾患、脳卒中の予防」「7000歩以上・15分以上ならがんや骨粗鬆症、動脈硬化の予防」「8000歩以上・20分以上なら高血圧症や糖尿病、脂質異常症の予防」というように、平均歩数と平均中強度活動時間と有病率・罹患率の間には密接な関連があるということがわかったのです。
一日あたりの平均歩数と平均中強度活動時間と有病率・罹患率の関連性は次ページの図に示した通りですが、認知症の発症にいたっては、「7000歩以上・15分以上」のグループでは「0人」という結果も出ました。

しかし、なぜ一定の平均歩数と平均中強度活動時間がさまざまな病気の予防につながるのかと疑問に思う方がいると思いますので、ここではがんを例に平均歩数と平均中強度活動時間との関連性について説明しましょう。
がんになる原因の一つに活性酸素があります。活性酸素は体内で酸素を利用し代謝が行われる過程で自然に発生し、体内に侵入した細菌やウィルスなどを取り除く働きがあり、生きていくためには必要なものですが、一方で健康な細胞も傷つけてしまうのです。
この傷ついた細胞はがん細胞に変異したりしますが、体が健康な時は、SОDという酵素が分泌され、傷ついた細胞を修復してくれます。それで健康が保たれているというわけです。つまり健康とは、「細胞の損傷と修復のバランスがとれている状態」といえるのです。
しかし、加齢や病気で体力が落ちるとSОDの分泌が低下し、細胞の修復が追いつかなくなります。その時、がんのリスクが高まるのです。
長期間にわたって激しい運動を続けると、活性酸素優位の状態が続き、老化を速めたり、がんの発生リスクを高めるというのはこういう理由によります。
ところが、中之条研究を続ける中で、「一日平均7000歩以上・一日平均中強度活動時間15分以上」のグループの人たちのがん発生が著しく低いということがわかったのです。
これは「一日平均7000歩・一日平均中強度活動時間15分以上」の運動を続けることが、必要以上に活性酸素を発生させることもなく、傷ついた細胞を修復するために十分なSОDを分泌するのに適した運動量であった。
したがって、がんの発生リスクを下げたと考えられます。つまり「一日平均7000歩・一日平均中強度活動時間15分以上」の運動が、がん予防に効果があったという証拠です。
ちなみに、このグループは骨粗鬆症になる人も少なかったのですが、これは日光が当たる時間帯に屋外で中強度活動をしたため、骨の形成に必要な物理的・機械的刺激が十分であったとともにビタミンDの生成が促されたと考えられます。
ほかの病気についても、下の図に示したような「一日平均歩数と一日平均中強度活動時間」と病気予防の関連性が明らかになったのです。
※本コンテンツはCOCORO 16号をもとに再構成しています
さらにその中の500人以上を研究の主たる対象とし、小型の「身体活動計」を、入浴時以外は常時携帯してもらい、一日の歩数や運動強度が3メッツ以上の活動時間を細かく記録しました。
一年間の一日あたりの平均歩数と平均中強度活動時間と有病率・罹患率の関連性――。これを十年以上の期間、継続的に調査・解析してみると、歩数と中強度活動時間が増すごとに有病率・罹患率が低くなり、それぞれの病気の予防に有効な歩数と中強度活動時間がわかってきたのです。
例えば 「一日平均4000歩以上・一日平均中強度活動時間5分以上ならうつ病や睡眠障害の予防」、同様に一日平均「5000歩以上・7.5分以上なら認知症、心疾患、脳卒中の予防」「7000歩以上・15分以上ならがんや骨粗鬆症、動脈硬化の予防」「8000歩以上・20分以上なら高血圧症や糖尿病、脂質異常症の予防」というように、平均歩数と平均中強度活動時間と有病率・罹患率の間には密接な関連があるということがわかったのです。
一日あたりの平均歩数と平均中強度活動時間と有病率・罹患率の関連性は次ページの図に示した通りですが、認知症の発症にいたっては、「7000歩以上・15分以上」のグループでは「0人」という結果も出ました。

しかし、なぜ一定の平均歩数と平均中強度活動時間がさまざまな病気の予防につながるのかと疑問に思う方がいると思いますので、ここではがんを例に平均歩数と平均中強度活動時間との関連性について説明しましょう。
がんになる原因の一つに活性酸素があります。活性酸素は体内で酸素を利用し代謝が行われる過程で自然に発生し、体内に侵入した細菌やウィルスなどを取り除く働きがあり、生きていくためには必要なものですが、一方で健康な細胞も傷つけてしまうのです。
この傷ついた細胞はがん細胞に変異したりしますが、体が健康な時は、SОDという酵素が分泌され、傷ついた細胞を修復してくれます。それで健康が保たれているというわけです。つまり健康とは、「細胞の損傷と修復のバランスがとれている状態」といえるのです。
しかし、加齢や病気で体力が落ちるとSОDの分泌が低下し、細胞の修復が追いつかなくなります。その時、がんのリスクが高まるのです。
長期間にわたって激しい運動を続けると、活性酸素優位の状態が続き、老化を速めたり、がんの発生リスクを高めるというのはこういう理由によります。
ところが、中之条研究を続ける中で、「一日平均7000歩以上・一日平均中強度活動時間15分以上」のグループの人たちのがん発生が著しく低いということがわかったのです。
これは「一日平均7000歩・一日平均中強度活動時間15分以上」の運動を続けることが、必要以上に活性酸素を発生させることもなく、傷ついた細胞を修復するために十分なSОDを分泌するのに適した運動量であった。
したがって、がんの発生リスクを下げたと考えられます。つまり「一日平均7000歩・一日平均中強度活動時間15分以上」の運動が、がん予防に効果があったという証拠です。
ちなみに、このグループは骨粗鬆症になる人も少なかったのですが、これは日光が当たる時間帯に屋外で中強度活動をしたため、骨の形成に必要な物理的・機械的刺激が十分であったとともにビタミンDの生成が促されたと考えられます。
ほかの病気についても、下の図に示したような「一日平均歩数と一日平均中強度活動時間」と病気予防の関連性が明らかになったのです。
※本コンテンツはCOCORO 16号をもとに再構成しています