6. 「雇われない働き方」を実現するには「定年起業」の選択がベスト

4つ目の選択肢「起業」を考えてみましょう。
「起業」というと、開業資金が必要ではないか、売り上げを確保するために顧客開拓が必要ではないかなど、
ハードルが高いことのように思われています。
とくに就学中の子どもがいたり、住宅ローンの支払いを抱えていたりすれば、
「起業」に二の足を踏む気持ちは理解できないこともありません。
しかし「起業」といっても、事業を立ち上げるために大きな投資をせず、職員を雇うこともなく、オフィスを構える必要もない起業もあります。
私が提案する「起業」は、職員は自分一人か家族だけにし、事務所を自宅に置く「スモールビジネス」のイメージです。
小さくスタートすれば、リスクも小さくなります。
 
私は、60歳で定年を迎えた時の次の仕事の選択肢として、
「雇われる働き方」を続けることになる「定年再雇用」「出向(転籍)」「転職」をすすめません。
なぜなら、そのどれもが原則として65歳で終了となるからです。

人生100年時代の働き方」を考えれば、むしろ60歳の時点で、「雇われない働き方」である「定年起業」こそベストの選択ではないかと思います。
「定年起業」は、世の中の大半を占める普通の会社員でもできる方法で、「雇われる働き方」ではないことから、
仕事を辞める時期も自分で決められるという大きな魅力もあります。
収入面でもあまり高望みをせず、定年再雇用並みの収入を目指すなら、ぐっと起業のハードルは低くなるのではないでしょうか。
収入面をもう少し詳しく説明すると、会社勤め時代は会社が半額補填していた健康保険料や社会保険料は、
全額自分が負担することになりますが、必要経費として計上できる範囲が会社勤め時代より多くなります。
ですから、税引き後の手取りの目標年収を、定年再雇用でもらう手取り収入以上にすればよいのです。

※本コンテンツはCOCORO 34号をもとに再構成しています
大杉 潤 (おおすぎ じゅん)
1958年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日本興業銀行(現みずほ銀行)に22年間勤務の後、新銀行東京の創業に携わる。人材関連会社およびメーカーの人事責任者を経て、2015年からフリーの経営コンサルタント、研修講師、ビジネス書作家として活動。

合同会社ノマド&ブランディング・チーフコンサルタント。

著書に『定年ひとり起業』(自由国民社)、『定年ひとり起業 マネー編』(自由国民社)、『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)などがある。がある。