2. 長い定年後をどうすごせばよいのか途方に暮れている定年退職者たち

私は現在、「ノマド&プランニング」という会社を立ち上げ、研修とコンサルタント活動を行っていますが、もともとは銀行に勤務していました。
その後、3回の転職を経て、2015年に会社員生活にピリオドを打ったのですが、定年退職をした銀行員時代のOBたちと話をしていると、
みな共通して途方に暮れている印象がありました。
要は、長い定年後をどうすごしたらよいのか、それに悩んでいるという感じなのです。
銀行員時代にお世話になった取引先のOBの方々も同様でした。大半の方は退職金や年金などの制度が整っている上場企業に勤務していたので、平均以上に恵まれた方たちです。
にもかかわらず、仕事を離れてしまった瞬間に、日々の生活における拠り所を見失ってしまっている。
単にやりがいのある仕事がないというだけでなくて、時間の過ごし方がわからないというわけです。

もちろんOBの中には、定年退職後に打ち込める趣味を持っている人もいます。
しかし、そういう人はごくわずかで、打ち込める趣味があったとしても、それが毎日となると、現実的には飽きてしまう人がほとんどです。
ゴルフにしても、仕事をしている合間にコースに出ていたからこそ楽しかったのです。
実際、ゴルフを何よりの趣味にしていたあるOBは、「いつでも行ける状態が3か月も続くと飽きてしまう」としみじみ語っていま
した。
私が会った人たちは、社会でもそれなりの地位に就いてリーダーシップを発揮し、先頭に立って働いてきた人物です。
しかし、そうした人たちが定年退職後をどうすごしたらよいのか途方に暮れている実情を知り、人生80年時代ならまだしも、
人生100年時代を上手に生きるモデルとしての新しい働き方の必要性を実感したのです。


※本コンテンツはCOCORO 34号をもとに再構成しています
大杉 潤 (おおすぎ じゅん)
1958年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日本興業銀行(現みずほ銀行)に22年間勤務の後、新銀行東京の創業に携わる。人材関連会社およびメーカーの人事責任者を経て、2015年からフリーの経営コンサルタント、研修講師、ビジネス書作家として活動。

合同会社ノマド&ブランディング・チーフコンサルタント。

著書に『定年ひとり起業』(自由国民社)、『定年ひとり起業 マネー編』(自由国民社)、『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)などがある。がある。