自己成長時代、こうすれば悩みを解決し相談力は高められる!

和田 隆

不確実性の高い時代において、いきいきと働き続けるために、「個の力」に関心が高まっています。企業主導から個人主導のキャリア形成が求められている現在、自分の力で殻を破って成長していくことが求められる時代が到来しました。ここでは、全国の企業で働く人のウェルビーイング向上を支援している公認心理師の和田隆さんに、自己成長につながる悩みの解決法と相談力の高め方についてうかがいました。

2. 困難な問題にプラスの価値を見出す

 困難な出来事に直面しても、そこにプラスの価値を見出すことを「ベネフィット・ファインディング」といいます。
 
 ある出来事が起きて、あなたはそれが悩みの種と感じているとします。しかし冷静に考えると、どんな出来事でもそれ自体にはプラスもマイナスもありません。プラスになるかマイナスになるかは、あなたがその出来事をどうとらえるかにかかっているのです。
 
 例えばクライアントからの要望が多すぎて、プロジェクトがうまく進まずにいるとします。それに対して「厄介なことばかり要求するな」とマイナスにとらえると、あなたにとってこのプロジェクトは不快なストレスになります。
 一方、「こちらがどこまで対応できるか、試しているのだな」とか、「確認のタイミングが遅いのかもしれないな」というふうにとらえれば、「もう少しがんばってみよう」「仕事の流れを見直してみよう」と前向きな行動に結びつきやすくなります。
 すると、結果的にこのプロジェクトは、あなたの仕事の遂行力や、変化に対する適応力を高めるプラスの出来事になる、というわけです。
 
 病気になってもその不運や苦しさを嘆くのではなく、「病気が健康の大切さを教えてくれた」という人がいます。
 コロナ禍においても、テレワークなど新しい働き方を受け入れざるを得なくなったことがきっかけで、「何のために働くのかをじっくり考えた」など、これまでの仕事との向き合い方を見つめ直し、成長のきっかけにした人もいます。
 
「人間万事塞翁が馬」という故事があります。困難やマイナスの出来事でも、結果的にそれがプラスに転じたり、それを乗り越えることで新たな世界が開けたりすることがある、という教えです。
長い人生を歩んでいれば、誰にも目の前が真っ暗になって前に進む勇気を失くしてしまうような困難があったはずです。でも、今あなたが生きているということは、それを克服してきたからにほかなりません。
 
ベネフィット・ファインディングをして、どんな困難にも意味があるととらえ、ストレスをプラスに転換すれれば、困難を克服しブレイク・スルーできるはずです。
それを繰り返すことが、自分を成長させることにつながっていきます。
和田 隆 (わだ・たかし)
メンタルプラス株式会社代表取締役、ウェルリンク株式会社シニアコンサルタント、東京消防庁消防学校講師、札幌観光大使。
公認心理師、1級キャリアコンサルティング技能士として、講演、研修、面談の指導実績15万人以上。
人と人が支え合うことが最大のメンタルヘルスケアと信じ、メンタルヘルス対策やハラスメント防止、キャリア形成など、独自に開発したメソッドで支援している。
主な著書に『テレワーク時代の「心のケアマネジメント」』『最新パワハラ対策完全ガイド』『パワハラをなくす教科書』『仕事のストレスをなくす睡眠の教科書』
『自分の殻は中から破れ!』(いずれも方丈社)がある。メディアにも多数出演。