介護離職を防ぐには

飯野 三紀子

介護離職をせず、介護と仕事を両立するために、働く皆様にとっていただきたい行動、心に留めておいていただきたい事柄について5回に分けて掲載します。

5. 介護は「貢献した経験」になる

私は、認知症の母の介護をつづけて15年ほどになります。今も自宅で歳の母と暮らして、仕事をつづけています。使命感といいますか、いちど介護の経験をしているからこそ「多くの方々とスキルを共有したい」と、社団法人を立ち上げました。「介護と仕事は両立できる」ということを広く知ってもらいたいのです。介護でパニックになってしまって、早急に会社を辞めてしまうのは、何よりもったいない。本当は、両立できるのです。
この月からは、ウェルリンク社にて「介護と心のケアの相談」をはじめることになりましたが、ここでも介護経験者だからこそ伝えられる大切なことがあると考えています。

介護は、貴重な経験になります。それは「(要介護者に)貢献した」という、貴重な経験です。

どうか、その経験を自分の人生やキャリアの中で生かしていって欲しいと思います。介護をすることは、けっして被害者になることでもなければ、いやなことを押しつけられたということでもありません。
あくまでも前向きに「貢献した」という経験を大切にしてください。
私自身、介護体験を「貴重な経験」として多くの方々と共有し、その経験を生かしていく環境づくりの一助となる仕事に、これからも取り組んでいきたいと思います。

※2017年3月発刊 COCORO第4号をもとに掲載しています。
飯野 三紀子 (いいの みきこ)
(社)介護離職防止対策促進機構理事。ココロとカラダのケアラボ主宰。
企業の人事部を経て、人材紹介会社でキャリアコンサルタントとして従事。2000 年に叔母、叔父、母などの介護が次々始まり5人の介護と4人の看取りを経験。介護離職を機に独立し、現在も要介護4の母を介護しながら、働く人の「心の健康」と「キャリアや介護と仕事の両立」支援を行なっている。ウェルリンク(株)にて「介護とこころの相談室」を立ち上げ相談に従事。介護者と認知症当事者が集う場として「ここからカフェ」を毎月開催。
著書に『仕事を辞めなくても大丈夫! 介護と仕事をじょうずに両立させる本』『やりがいある介護・後悔しない介護 ケアライフコンサルタントが考えるしあわせ人生のつくり方』(いずれも方丈社)がある。